取締役は社内だけに存在しているものだと思うかもしれませんが、社外取締役というポジションも存在します。
これを取り入れる企業は増えているので、どのようなものなのか定義を理解したり、必要とされる理由まで知っておくことがおすすめです。
社外取締役とは
社外取締役は言葉の通り社外から招いた取締役のことを指しています。
企業に関する重要な意思決定を行うポジションである取締役ですが、これを自社とは全く関係がない社外から呼び寄せることになるでしょう。
日本では取り入れる企業が増えているものの、社内にこのポジションの人物がいることが多いと言えます。
欧米では社外に取締役を設けることが一般的だとされており、非常にポピュラーなものだと言えるでしょう。
社外取締役を配置するメリット
社内に優秀な人材がいる場合は、わざわざ社外から呼び寄せる必要がないと思うかもしれません。
けれども、これを配置することには多くのメリットがあります。
社内の利害関係を考慮せずに業務を行ってもらえる
まず、社内で昇格した人物が意思決定に携わるわけではないため、社内の利害関係を考慮せずに業務を行ってもらうことが可能です。
もともと社内にいた人であれば、利害関係を意識して公平な判断や公正な判断ができない恐れがあります。
客観性がある意思決定を実現できる
客観性がある意思決定を実現できることも、社外取締役が必要である理由です。
ずっとその会社で働いてきた人であれば、意思決定の際に客観的に視点を失う可能性が高くなります。
同じところで働いてきたわけですから、間違った内容があったとしても違和感を覚えることなく進めてしまう危険性があるでしょう。
社外から呼んだ人物であれば他の場所で働いている経験があるので、その会社で常識だと思われていたことでもおかしい内容があればしっかりと指摘してくれます。
第三者の視点で客観的に経営状況に意見してもらうことができるので、これまで以上に的確な意思決定を行いやすくなるでしょう。
コーポレートガバナンスやコンプライアンスへの対応
社外取締役を設けることは、コーポレートガバナンスへしっかり対応したり、コンプライアンスに対する意識を高めたりするためにも役立ちます。
専門的な知識や豊富な経験を持った人物を招くのであれば、今までにはなかった視点からコーポレートガバナンス対応やコンプライアンスについて考えられるようになるはずです。
昨今では企業が適正に経営を行うこと、コンプライアンスを守ることが重要となっています。
問題があればすぐにインターネットなどで悪い情報が拡散されてしまい、企業の信頼や好感度が著しく低下する恐れがあるでしょう。
社外から招いた人物と共にこれらを強化していくことができれば、企業の信頼や好感度を低下させずに済みます。
株式上場を目指す企業やベンチャーキャピタルから出資を受けたい場合
株式上場を目指す企業やベンチャーキャピタルから出資を受けたい場合も、これの設置が必要となるでしょう。
知らない人もいるかもしれませんが、上場審査では社外取締役の設置状況が尋ねられることもあるので、スムーズに上場するためにもなるべく早く設置しておくべきです。
設置していないことを理由に審査落ちしないためにも、事前に準備しておくことをおすすめします。
ベンチャーキャピタルからの出資を受けたいときであれば、事前に設置しておく必要がありませんが、利益アップのために派遣される可能性が高いことを理解しておくと良いでしょう。
まとめ
社内に取締役がいれば十分だと思うかもしれませんが、客観的な意見をくれたり専門的な知識を提供してくれたりする社外取締役の存在は非常に重要です。
会社によっては設置しなくても問題ないこともありますが、企業の成長や顧客などからの信頼アップのためにも設置することはおすすめだと言えます。
まだ設置していなかったのであれば、まずは定義と必要性を理解しましょう。
その上で、自社にこれが必要であるかどうか判断することをおすすめします。